目次
2.自筆証書遺言か公正証書遺言か?
3.自筆証書と公正証書のメリット、デメリット
4. 自筆証書遺言の法務局保管制度について
遺産を巡って争いが起きないよう、残された御家族の幸せの為に遺言書の作成、活用をおすすめいたします。
お客様のご希望に沿った遺言書の作成をお手伝いいたします。
次のような方に遺言書の作成をお勧め致します。
◆ご夫婦に子供がいない◆
ご夫婦のどちらかが先に亡くなられ、お子様がいらっしゃらず、また亡くなられた方のご両親や祖父母といった尊属も先に亡くなられている場合で、兄弟姉妹がご健在というケース。兄弟姉妹にも相続財産について権利がございますので、遺言書を作成しないと、兄弟姉妹と配偶者の間で遺産分割が必要となります。
兄弟姉妹については遺留分がないので配偶者が全てを相続する旨の遺言書を作成することで、相続財産のすべてを配偶者が相続することができます。
◆法定相続人がいない◆
法定相続人が一人もいない場合、その遺産は国庫に帰属してしまいます。法定相続人には該当しない親類に遺産を残したい、仲のいい友人や慈善団体、公共団体に財産を遺贈したい方は遺言書の作成が必要となります。
◆法定相続人以外に遺産を取得させたい◆
法定相続人ではないがお世話になった方、扶養している親族、慈善団体や公共団体等に遺産を取得させたいと考えている場合、その意向を記した遺言書が必要となります。
また入籍をしていないパートナー(内縁の配偶者)は法定相続人ではないので遺産を取得することができません。内縁の配偶者に生活の資を残したい、所有不動産にそのまま居住させたいなどの希望がある場合は遺言書の作成が必要です。
◆遺産が不動産しかない、もしくは不動産の割合が大きい◆
現金・預金と違い不動産は分割が困難で、法定相続分ですっきり分けることは難しい場合が多くなります。分けるべき財産が現住の土地建物しかない場合等、遺産分割のために土地建物を売却しなければならず居住家屋を失うことにもなりかねません。
遺言の作成やその中での「配偶者居住権」の活用で、配偶者の住居確保や不動産の売却を避けることができます。
遺言書作成サポート費用の目安
司法書士報酬 |
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自筆証書遺言作成サポート (文案の作成・戸籍の取得による遺言作成時点での相続人調査・財産調査) |
33,000円~(税込) |
公正証書遺言作成サポート (文案の作成・戸籍の取得による遺言作成時点での相続人調査・財産調査・公証人折衝、予約、立会) |
110,000円~(税込) |
◆その他の費用◆
戸籍等の取得費用実費
戸籍謄本 1通 450円
除籍謄本・改正原戸籍 1通 750円
住民票 1通 300円
上記取得報酬 1通 1,100円(税込)
郵送費、調査費用別途
※財産が多数、相続人が多数の場合別途調査費用をお見積り致します。
■自筆証書遺言か?公正証書遺言か?どちらを選ぶ?■
遺言にはいくつかの種類がありますが、よく使われるのは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の二つです。専門家の関与のもと、要件を満たした自筆証書遺言であればその法律効果に公正証書遺言と違いはありません。
費用を検討の上選択いただければと思います。ただ強いてアドバイスをするとすれば遺言は「公正証書」で残しておいたほうがよいと考えています。
・公証役場にも保存されるので災害による滅失、紛失の恐れがない
・自筆が要求されていないので、ご病気で自筆ができない方。また目が見えない方や耳が聞こえない方も口述や筆談で遺言書の作成が可能
・公証人が自宅や病室へ出向き手続きを行うこともできる
また、証人、公証人の立会のもと、公文書になった遺言者は自筆証書遺言よりも説得力があるということも相続手続きをスムーズに行う上で無視できないメリットです。
自筆証書遺言の法務局保管制度、要件の緩和(財産目録)等、自筆証書遺言のデメリットを補う制度もできておりますので、お客様に合わせた最善の方法を提案させていただきます。
◇自筆証書遺言とは◇
お客様ご自身で書く遺言です。自分一人で、簡単、安価に作成できる遺言です。ただし遺言は遺言者の死後効果が発生するので、法律で厳格な要件が定められており、これに違反すると無効になってしまう可能性があります。自筆証書遺言の要件は下記の通りです。
①全文を自書※
②日付の自書
③氏名の自書
④押印
⑤加除訂正は場所を明示し、押印と署名が必要
※自筆証書と一体として相続財産の目録を添付する場合、これは自書であることを要しません。但しその目録の毎葉ごとに(自書によらない目録が両面にある場合はその両面)に署名し押印することが必要です。
◆自筆証書遺言のメリット
・安価に作成できる・証人が不要・遺言の作り直しが容易
・一人で作成できるので内容を知られる可能性が低い。
◆自筆証書遺言のデメリット
・自筆証書遺言の法務局保管手続きを利用しない限り、検認が必要※
・形式に反すると無効になってしまう可能性がある
・法律の知識なく作成すると意図と違う効果を生む可能性がある
・紛失したり、災害等で滅失してしまう可能性がある
・破棄・変造・隠匿の恐れがある
・発見されない可能性がある。
※検認とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。
◇公正証書遺言とは◇
公正証書遺言は証人2人以上の立会のもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人の面前で口授し、それに基づいて公証人が遺言者の望む遺言をまとめ、これを遺言者、証人に読み聞かせ、または閲覧させ、その正確なことを承認した後各自署名押印する方法で作成される遺言です。
◆公正証書遺言のメリット
・司法書士、公証人が関与するので形式の不備の恐れがない。
・検認の必要がない
・自筆が要件ではないので字が書けない状態でも遺言書の作成が
可能
・公証役場に保存されるので紛失、滅失、破棄、変造、隠匿の恐
れがない
◆公正証書遺言のデメリット
・作成に費用がかかる。そのため気軽に作り直せない。
・遺言の内容が証人、公証人に知られてしまう。
令和2年7月10日から施行された新しい制度です。
全国の指定を受けた法務局が自筆証書遺言を保管してくれる制度です。この制度を利用することによりにより自筆証書遺言の紛失や未発見等の事態を避けることができます。またこの制度を利用した自筆証書遺言は相続発生後家庭裁判所の検認手続きを省略することができます。
当事務所では自筆証書遺言作成サポート+法務局保管制度の利用も可能です。
お気軽にご相談下さい。